ひとり親?

最近、子供の貧困をめぐるニュースで「ひとり親家庭」という言葉をよく見聞きするようになりました。市役所などに置いてあるリーフレットなどにも同じ言葉を見かけます。

この言葉を巡り、地方議会などで議論がかわされているので、たまさんの考えを書いておこうと思います。従前は「母子家庭」という言葉がよく使われてきましたが、どうやら「父子家庭」が増えてきたこともあってか、それでは具合が悪いということになったのか。父か母のどちらかがいない家庭という意味で「ひとり親」と呼ばれているようですが、問題提起している人たちの考えは「もう片方の親は、まったく無関係なのか?」ということです。

死別して、もう関わることができないのならともかく、離婚や別居であっても、戸籍の中にも親がいる場合、「ひとり親」という表現はふさわしくありません。関わりを持ちたいと思っている親がいるとすれば、その言葉は重たく、すべてを否定されているような気持ちになりますし、両親が存命しているのに、子どもの意志とは無関係に「ひとり親」というレッテルが貼られます。「親」という言葉が混じっている以上、これは否定できない事実です。

この言葉ができた時代背景には、離婚や別居で子供と離れてしまったら、もう子育てには関わらないという、日本独自の文化があるようです。津軽地域ではさらに顕著なことです。

子どもの都合ではなく、親の都合で、両親が一緒に暮らせないのに、片方の親と子の関わりが否定されるのは日本だけです。そこに追い打ちをかけるように「ひとり親」というレッテルを貼り、子どもはそこから逃れることができません。

よく、「子は親を選べない」と言いますが、子は親を選べないだけでなく、親が別居や離婚をするかしないか、という選択肢を自分で選ぶことができません。

ここ2〜3年の間、急速に母子家庭の貧困に関するニュースが増えましたが、子どもの貧困は、そのような「子ども不在」の中で醸成されて行きます。

もう一人いるはずの親は、どこで何をしているのでしょうか。それすらも把握せずに「ひとり親」と締めくくってしまうことは、とても悲しいことです。大人は子どもに何も言い訳ができないはずです。子どもには何も責任はなく、自分ごとで結婚生活の失敗を招いたのですから。

子どもの貧困は、親の貧困であることに間違いはありませんが、親の貧困は「発想の貧困」であり、コミュニケーションの貧困でもあります。

もし本当に一緒に暮らす子どものことを考えるのならば、「もうひとりの親」と、どう関わって行くか。真剣に考える必要があります。「私が嫌だから」と言う理由で、子どもが重荷を背負っていることから、目を背けることは、育児放棄と変わらないのではないでしょうか。

引き離された親たちの怒りの受け皿

「面会交流について相談したいんですが。依頼者が”面会交流で息子を殺めたい”と言っていて、対応に苦慮しています。そういう場合、貴君はどうしていらっしゃるのでしょうか」って、そんな面会交流、無理して取り次ぐ必要もないと思うけど・・・

ブログやSNSで毒を吐きつつ、すっかり復讐心にまみれてしまって抜け出せない方はたくさんいる。子どもを盗まれて許せない!子どもを虐待している母親を許せない!って、いっぱいいっぱいになっている。たいがい、その後は子どもと会えなくなるケースがとても多い。

実際にその人と会ってみると”実行方法”とやらが非常にあやふやで、時折、怒りに満ちて話がどんどんずれて行く。それでも、まあ、一連の出来事だからと受け止めて、全体の話を俯瞰する。

「そういう気持ちだということをわかってほしい」と着地点が見つかってくる。

ちょっとずつ心を開いてくれて、だんだん分かってくるのは、ああ、この人は、思っているだけでなんもしてこなかった人なんだなぁということ。

「母親が虐待しているとして、それでどうしたんです?」
「いえ、なにも。どこにも相談していません」

「警察には相談に行ったことはあるんですか?」
「行っても無駄だと、ネット上にたくさん記事があって」

「子どもに手紙をかいたことはありますか?」
「書いても無駄だと、○○さんが言ってまして」

おいおい、自分の子供のことでしょ。

常に「誰かさんのせいで何も進まないし、できない」という話しぶり。そのくせ「毎日ひまです。死にたい」。自分でできること、あきらめてるんじゃないか。

あきらめているのは他の誰でもないでしょ。

ネット情報にかぶれて意気消沈する気持ちはワカラナイではないけれど、それを何年も続けていると、できないこと・何もしないことへの免罪符みたいになってしまう。その切替の悪さが事情を複雑にしているのではないかと、自分のことを振り返ってみてもよく分かる。

アレだ、ネットサーフィンはいわばドクターショッピングと同じで、都合の良い情報だけを取捨選択してしまう。んなもん、結局、俺は何の役にも立たなかったように感じる。

それと、気が付かないうちに、相当、奥さんの動向や子供の態度のひとつひとつに依存して、反応してしまうのだ。案外、俺なんかも、妻も子どもも別の人間で、別の考えを持っているということが、なんだか怖かったような気もする。

こっちもそういう考えだったから、奥さんも同じように「子供と同化」しちゃったような気もする。ちょっと乱暴だけど、「子どものことが心配です(信頼していません)」「会わせてください、お願いします(期待してます)」ってのは、ぜんぜん相手に響かないことが多いので、多少”誇張”してでも、

「大変だろうけど、あなたに任せるからね(信頼してますから)」
「こっちは好きなようにやらせていただきますね(期待しないから、こっちにも期待しないでね)」と放ったほうが、不思議と同居親の気持ちは動くようである。

こっちが変われば、あっちも変わる(と自分も相手も信頼する)。

もちろん、すべてそのようなケースではないのだけれど、それぐらい「軽く」伝えないと、ただでさえ「重い同居親」はかなり重たくなってしまうようで、なかなか興味深い。

ちなみに、子どもを連れ去った妻(または夫)を「やっつけてやりたい!」と思っている人々が、合理的にやっつけられる方法をコンプリートできた人はいなかった。だんだん「無駄なことだ」と気がついてくれて、いつの間にか、その話は立ち消えた。そうなるまで、お付き合いする他ない。ただ、いつまでも怒りが収まらない方とは良い関係を結べないので、正直、俺も切りたくなる。

夫婦問題は、どっちも加害者になったり被害者になったり、行ったり来たり。最終的には、そのどっちにもならないよ!という心構えができると良いのだろう。ムズカシイけど。(少なくとも今の法制下ではそれしか無い)

それと、なんとかしてあげたいからと、別居親に感情移入しすぎると、冒頭のような妙な問合せになるんだろう。支援する側も強いメンタル持ってないとね、流される。

例えば、面会交流の場面で、別居親が子どもの前で泣き出してしまったとして、支援する側も一緒に泣いてしまうと、子供の不安は2倍にも3倍にもなってしまう。やはり、面会交流支援は、子どもベースの子ども目線で、私情は大人の対応で控えめにしたほうが良いね。

お話します 家族と親子をめぐる日本の諸問題

  • 親子引き離しの実態と世界の流れ
    日時 2018年3月20日 10:00〜
    福島県福島市 赤十字病院 会議室 定員120名
    入場料(資料代)500円
    基調講演 (行政書士・ライフプランナー)
    現場報告 佐久間博秀(家族相談員)


  • 子どもの引渡し強制執行と子どもが受ける恐怖、トラウマ
    日時 2018年3月26日 13:00〜
    盛岡市民会館 小ホール 定員300名
    入場料(資料代)500円
    基調講演 時永松男(臨床心理士)
    現場報告 佐久間博秀(家族相談員)


  • 離れて暮らす子どもに対してできること
    日時 2018年4月8日 18:00〜
    弘前文化センター 大会議室B 定員160名
    入場料(資料代)700円
    講演 佐久間博秀


 

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別居親の集い 2017年・夏

8月、11(祝)、12(土)、13(日)
別居親の集い(案)を企画しています。
10日からの前泊、後泊して14日出発もOK!

面会交流真っ最中の方、これから面会交流に望む方、面会交流が途絶えてしまった方、面会交流に携わっている支援者の方、男女問わずご参加いただけます。

◆各自の近況報告と面会交流の拡充例紹介
◆共感セッション
(自分の経験を語ります。誰かの話に聞き入る、共感する、自分の心の財産として蓄積する訓練を毎日やりましょう)
◆お手紙セッション
(別居している子に、どのようにして愛情を伝えるか。日頃お世話になっている人に、感謝の気持ちを書いてみましょう。自分の思いと行動に乖離があることに気がついてみましょう)
◆ビジネスセッション
(写真整理のノウハウ、インターネット共有方法など、みんなで研究し、いつか我が子とシェアできる日に備えましょう)
◆祈りのセッション
(宗教宗派に関係なく、自分が信じている”神”に困難を委ね、配偶者や子どもの幸せを祈り、それを言葉にしてみましょう)
◆やましいセッション
(積もり積もったやましい気持ちを打ち明けて、平川に置いていきましょう)
◆お盆セッション
(死んでしまった大切な人の魂を成仏させて手を離してみましょう)
◆同居親トーク
(同居親の本音を直に聞くことができるかも)

◆親子農園灯篭まつり&ビアパーティ
親子農園にたくさんの灯籠をぶら下げて、みんなでビアパーティ&焼肉を楽しみましょう。
◆行政セッション
行政機関への要望を声明として発表しましょう。

◆基調講演(案)
面会交流のはじまりと遷移(弁護士)
同居親によるゲートキーピング(臨床心理士)

▲外国籍の方のご参加もOKですが、すべて日本語によるセッションになります。レポート等を英訳してくださる方を募集しています。

▲お車での来訪も可能です(数台・無料)
▲参加人数10名程度
▲毎日(10~14日)近郊温泉ガイド付き(入湯料各自)
▲一泊3,000円を予定(食事は食費シェアの上、共同調理)
飲酒は夜10時まで

たまさん家族相談 050−3561−3310 (留守番電話)