産後うつ、産後クライシス

産後うつ、産後クライシス、そんな言葉がこの数年間のうちに市民権を得るようになりました。そうした症状や状態は、昔からあったものなのでしょうけれど、学問的に研究が盛んになり、科学的に解明しようという流れが加速しています。時には「マタニティーブルー」という言葉が歴史の先駆けだったのかもしれません。

マタニティーブルー、産後うつ、それらに伴うクライシス(危機)、どれも根底はつながっていて、分けて論じる必要が無いように、たまさんは思います。基本的には、女性の体内でのホルモンバランスが変化し、涙もろくなったり不安になったりという内的要因。そして、女性の置かれた環境に基づく外的要因。

外的要因には、家のしきたり(我が家では代々、このような子育てをしてきた)によるストレスやプレッシャーが挙げられます。そして、女性自身の中にも母性幻想(母親なのだから、このようにあるべきだ)が肥大すると、「私は子育てなんかできるんだろうか」「私は母親としてやっていけるだろうか」と言う不安が増大します。

「心配事の9割は実際に起きない」のではありますが、情報化社会、つまりネットを通じてずるずると出てくる「ああすべき、こうすべき」「理想の母親」などの分析、一般論、理想論に多く接すれば接するほど「うまくできないのではないか」と言う心配事が増えることになりかねません。

最も害悪なのはテレビでしょう。テレビで放送されたことが「すべて正しい」と思いこんでいる人々にとって、(美談化された)ママの体験談とか、(ドラマチックに演出された)再現ビデオなどを見るにつけ、なんか自分がちっぽけでつまらない存在に思えてしまうのです。

自分には自分の生き方、考え方があって、「足りない」「知りたい」と思うことは身近な人々に救いを求めても良いのに、今やなんでもスマホで連絡する時代。生活リズムも皆ばらばらで、「今から電話しても良い?」なんてメールでたずねてしまう時代。人間関係の希薄化、形骸化もまた、産前産後のトラブル諸々にストレスを加速させているように、たまさんには見えます。

そんな状況や原因追求はさておき、たまさんちでは毎週土曜日、午前10時から「産後うつミーティング」を開いています。

参加できる方は、「産前産後で困りごとのある人」です。

産後のうつ状態で自分を見失いそうになっている本人、本人に振り回されている(?)配偶者、あるいはその両親(赤ちゃんから見た、祖父母となる人)、そうした方々をお世話する仕事に関わっている方(助産師、看護師、介護士の方など)が対象です。

ミーティングは、ミーティング・ハンドブックを元に進行します。

また、実名を明かす必要はありませんし、無理に話す必要もありません。話す順番が回って来た時に話したいことがあるか、話す準備ができたら手をあげてみてください。

話の途中に献金袋が回ってきますので、無理のない範囲で会場の維持にご協力ください。

お茶やコーヒー、お菓子を用意してお待ちしています。
お時間がありましたら、一緒にお昼ごはんを食べましょう。

日時 毎週土曜日 午前10時〜12時 ミーティング、その後ランチ会
場所 たまさんち(みさと記念館)シェアダイニング
お問い合わせはコメント欄、もしくはこちらから
遠隔地の方は、前泊することもできます。

【グループの来歴】
ミーティングは2014年から始まりました。当初はFacebook内のコミュニティで始まりましたが、やがてTwitterで仲間を探し求め合うようになりました。徐々に参加される方の範囲が広くなり、定期的に集まることが難しい人もいて一時期、Skypeによるグループミーティングをしていたこともありましたが、2017年から「顔を突き合わせて相手の話に傾聴する」という従来のスタイルに戻りました。

9月のミーティング

今週も土曜日10時からランチタイムまで、ミーティングを行います。会場費資料代として500円+任意献金があります。

ランチタイムのフリートークにもご参加希望の方は、どうぞオカズ一品の持ち寄りシェアをお願いします〜

今週は金曜日のゲストルームが他のご予約で満室なので、前泊はシェルター室(ベビーベッドがある一人部屋)のみの空きになります。ご了承ください! ( ^ω^ )

出さない手紙

なぜかわからないけど、説明ができないけれど、産前産後から始まるイライラした気持ち。つい子供の前で夫に当たり散らしてしまい自己嫌悪。自分では制御出来ない気持ち。どうして私だけが・・・という孤立感。

他のサイトでは、女性同士が陰鬱とした気分で「そうそう、あるある!」と共感していることが多いようですね。青森のコミュニティでは、ミーティングの際、自分の発言はすべて受け入れられます。また、そこで話されたことは、陰口や悪口にならないよう、すべて自分の心に持ち帰っていただくことになっています。

しかし肝心の「いちばん解って欲しい人」に、その想いは伝わっているでしょうか。最近、当ミーティングでは、パートナー(夫)に、自分の気持ちを手紙で伝えることを推奨しています。

一口に「私、産後うつみたいなんだ」と話しても、残念ながら夫はなかなか理解ができないものです。脳の仕組みも心の仕組みも違う。普段の会話で「あなた、あれをしてくれなかった!」「こんなひどいことを言った!」と夫を責めるのではなく、気持ちを綴ってみませんか。



私は、子育てをしている時、あなたにこれ手伝ってとひとこと言うことができなかった。そんなことをお願いしたら、あなたが怒ってしまうんじゃないかって、どうしてか勝手に決めてしまったの。そして、言わなくてもやってくれるものだと、あなたに甘えてた。それなのに、私はあなたに何も頼んでいないのに、「あれしてくれなかった!これしてくれなかった!と責めてしまって、ごめんなさい。


 怒り出しちゃうと溢れてきて止まらなくなるの。そしてあなたを困らせてしまう。あなたがせっかく作ってくれた食事にも嫌悪感を感じたり、お腹が空いているのに意地で食べなかったりするの。


いつの間にか、すべてをあなたのせいにしている自分に気がついて本当に嫌になるよ。だけど、それも言葉や態度で見せたくないの。だからお手紙を書いてみました。


あなたのことや家族のことを心から愛しています。それでも今の私の気持ちはなぜか、ちょっとしたゴミが気になって触れなかったり、子供のうんちを見るのさえ嫌になってしまうこともあるの。「ああ、私は母親なのに」って、自分でもがっかりしちゃう。


あなたはそういう私を見て、嫌な気持ちになっているでしょうね。あなたが子供をお風呂に入れてくれたり、オムツを換えてくれたりすることを、本当は心の底でありがとうって思ってるの。だけど、面と向かって素直に言うことが、今はできません。それをどうやって伝えようかと、ずっと悲嘆にくれていました。


お義母さん、お義父さん、本当に良くしてくれるのに、今の私は悲しい顔や怒りを悟られたくなくて、かなり無理してる。でも、あなたが悪いとか、何かして欲しいっていうではないの。私自身のことだって気がついたから。あなたは、私が義両親を嫌いでうまく行ってないと思っているでしょうね。決して嫌っているわけではないの。今は誰に対してもいい顔ができなくて。義両親の来る回数が多いから、どうしてもそう見られてしまうのはわかっています。会いたくないわけじゃないの。私が元気になるまでの間、お会いする回数を少し減らしてもらえたら、私はもう少し頑張れると思うんだ。


なぜか、頑張って!と言われると、私、猜疑心とか、「頑張ってるのに」っていう反抗心が出てきちゃう。え? もっと頑張らないとダメ?って落ち込んじゃう。


むっちゃ都合いいことを書いているかもしれないけど、あなたには、このつらい気持ちを知ってほしいの。理解してと言っても難しいと思う。「ふうん、そうなの?」って、関心を持ってくれるだけでも安心するのかも。悪気がないのにそうなっちゃうの。


家事も育児もさぼっているつもりはないんだけど、思うようにできなくて、あなたに叱られて嫌味を言われて、とてもつらい気持ちになって、でも、あなたの言うとおり、ぜんぜんできていなかったからね。「ちゃんとやりたい」って考えるほど、どこかから怒りや悲しみがわいてきてしまうの。そして「子供にも申し訳ないな」って後ろめたい気持ちなんだけど、そこから這い上がれない時に、あなたにガツンと本当のことを言われちゃって、恥ずかしいやら、腹が立つやら・・・(ごめんなさい。ぺこり)


それを、あなたが怖がったり、嫌がって友達に愚痴を言ってるのも知ってる。そういう気分になっちゃうよね。あなたの気持ちがだんだん離れて行ってるのも感じてる。つらい気持ちに、寂しい気持ちも混ざってしまって。
あなたは私にとって特別な人。家族にとっても大事な人。わかっているのに、あなたに当たったり、物を投げたりしてしまうの。そこは悪かったなって、いつも後になって反省しているのに、それをきちんとあなたに伝えたことは一度もなかった。


これからは頼みたいことは、できるだけ素直に頼みたいと思っているの。イライラしてうまく伝えられないかもしれないから、短いメモで、伝えることがあるかもしれない。それは、あなたを嫌いだからじゃなくて、私がうまく伝えられないからなのね。その時、嫌な気持ちになったらごめんねって最初にあやまっておくね。いつもありがとう。これからもよろしくお願いします。またお手紙かいていいですか?」


・・・みたいなの。ね♡

産後うつのミーティングは、毎週土曜日 午前10時からです

2018年からは家族相談の一環として相談受付を統合します。